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Automotive / Business Process

人の頭の中にある判断を
業務の仕組みへ

大手自動車グループのIT企業で、グループ各社から届くITサービスの申請を確認する業務を対象に、熟練担当者の経験に依存していた判断基準を整理。申請書を自動でチェックし、不備を返せる仕組みの試作と現場試用まで支援しました。

※ 守秘義務に配慮し、企業名、内部システム名、個別の判断ルール、具体的な業務量は非公開・抽象化しています。

CLIENT大手自動車グループ
IT企業
BUSINESSITサービスの
申請チェック
SCOPEヒアリングから
実装・評価まで
OUTCOME判断ルールを整理し
自動チェックを試作
Background

大量の申請を
人が読み続ける業務

グループ各社が新たなITサービスを利用するとき、申請書が一か所に集まり、その内容を確認してから次の処理へ進める業務がありました。

申請書の確認自体は外部の委託先が担い、判断に迷う場合だけ社内担当者へ確認する運用でした。長年の運用で業務は回っていた一方、申請量が多く、確認担当者の負荷が高い状態が続いていました。

さらに大きな課題は、「何をもって問題なしと判断するか」が担当者の経験の中にあり、明文化されていなかったことです。業務を社内で扱いやすくし、自動化するには、まず暗黙の判断を再現できる形へ変える必要がありました。

自動化の前に必要だったのは、システム開発ではなく「担当者の頭の中を業務ルールとして取り出すこと」でした。
Challenge

難しかったのは
判断を聞き出すこと

「判断基準を教えてください」と聞くだけでは、普段無意識に行っている仕事をすべて説明することはできません。

IMPLICIT KNOWLEDGE

経験がルールになっていない

熟練担当者は申請書を見れば違和感に気づけても、その判断条件を最初から一覧で説明することは困難でした。

VARIATION

申請ごとに条件が変わる

同じ項目でも申請内容の組み合わせによって確認ポイントが変わるため、単純なチェックリストだけでは不足しました。

HANDOVER

将来も更新できる必要がある

一度自動化して終わりではなく、業務ルールが変わったときに担当者側で見直せる形にする必要がありました。

Approach

実際の申請を題材に
会話を繰り返す

抽象的な質問ではなく、具体的な申請ケースを目の前に置き、「どこを見るか」「なぜ戻すか」を一つずつ確認しました。

01

現在の仕事を可視化

申請を受け取ってから確認、差し戻し、完了までの流れを整理し、誰がどこで判断しているかを明らかにしました。

02

ヒアリング資料を作って確認

実際の申請パターンをもとに、問題になる条件や例外を質問できる資料を作成。現場担当者とのヒアリングを繰り返しました。

03

判断を「もし〜なら」に変換

会話から得た知識を、誰が見ても同じ判断ができる条件へ変換。抜けや矛盾が見つかれば再度担当者へ確認しました。

04

申請書の自動チェックを試作

申請書から必要な情報を読み取り、整理した判断ルールに照らして不備を指摘する仕組みを作りました。

05

担当者に使ってもらい評価

作成者だけで判断せず、実務を知る担当者が実際の業務を想定して試用。判断の不足や使いにくさを確認しました。

Outcome

暗黙知を
再現できる形へ

最終的に、数十件規模の業務ルールを言語化し、Excel形式の申請書を自動チェックできる試作を構築。担当者試用まで進めました。

「AIを作る」より先に
「業務を説明できる状態」を作った

この案件の価値は、単にチェック処理を自動化したことだけではありません。これまで人の経験として存在していた判断を整理したことで、業務を他の人へ引き継ぎやすくし、将来の改善や自動化を進める土台を作りました。

STANDARDIZE

判断のばらつきを減らす

同じ条件なら同じ確認結果になるよう、判断の考え方を整理しました。

INTERNALIZE

業務を手の内へ戻す

外部委託に依存していた確認業務を、社内で理解・管理できる状態へ近づけました。

IMPROVE

改善可能な土台を作る

ルールを言葉として残すことで、変更時に「どこを直すか」を把握しやすくしました。

My Role

業務理解から
試用評価まで担当

業務側と開発側の間を分断せず、一つの流れとして進めました。

担当したこと

業務ヒアリング、現在業務の整理、要件整理、仕組みの設計、実装、担当者による試用評価までを担当しました。

業務ヒアリング業務整理要件整理設計実装評価

特に重視したこと

技術の話から始めず、現場担当者が普段どこを見て何を気にしているかを具体的なケースから聞き出すこと。ヒアリング資料を作って会話し、得た内容を整理して再度確認するサイクルを繰り返しました。

Lesson

自動化できない理由は
技術とは限らない

業務判断が言語化されていなければ、どれだけ高性能なAIを用意しても安定した自動化はできません。

企業の業務には、「担当者なら分かる」「いつもこうしている」という知識が多く残っています。そこを飛ばして自動化すると、例外のたびに人へ戻り、結局負担が減らない仕組みになります。

だからこそ、AI導入では業務ヒアリング、判断基準の整理、例外の確認が重要です。この事例では、それらを実装と同じプロジェクト内で進めることで、現場の仕事と自動チェックの仕組みをつなぎました。

Other Cases

ほかの支援事例

業界や業務が違っても、まず仕事を理解してからAIの役割を決める考え方は共通しています。

属人化した判断業務を
整理したい

判断基準が人の頭の中にしかない段階でも、業務の聞き取りと整理から始められます。

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