AI Agent(AIエージェント)とは?
仕組み・活用例・導入手順
AI Agentとは、生成AIに質問して回答を得るだけではなく、目的に応じて情報を探し、判断し、必要なツールやWorkflowを使って業務上の処理まで進める仕組みです。このページでは、企業の業務AI化という視点から、AI Agentの基本を整理します。
AI Agent(AIエージェント)とは
AI Agentは、ある目的を達成するために、必要な情報を取得し、状況に応じて判断し、次の処理を選び、必要に応じて外部システムへアクションを起こすAIシステムです。
たとえば「社内規程について答える」だけなら検索と生成で済む場合があります。一方で「問い合わせ内容を分類し、必要情報が足りなければ追加で質問し、規程を確認し、条件を満たしたら申請文を作成する」といった一連の業務を扱うには、対話・Knowledge・判断・Workflowを組み合わせる必要があります。
生成AIチャットとAI Agentの違い
| 観点 | 生成AIチャット | AI Agent |
|---|---|---|
| 主な役割 | 質問への回答、文章生成 | 目的に沿った業務処理の支援・実行 |
| 情報取得 | 会話内の情報が中心 | Knowledge、RAG、DB、API等を利用 |
| 処理の流れ | 1回の質問と回答になりやすい | 不足情報の確認、分岐、再試行を含む |
| 外部アクション | 基本は回答まで | 申請、通知、チケット、Workflow等へ接続 |
| 人との役割分担 | 利用者が都度判断 | Human in the Loopを設計可能 |
AI Agentを構成する5つの要素
何を達成するAgentなのか、どの範囲まで判断してよいかを定義します。
社内文書やFAQなどから、回答・判断に必要な根拠を取得します。
問い合わせ内容や状況に応じて、次に何を確認・実行するかを決めます。
Power Automate、API、DBなどへ接続し、回答の先の業務処理を行います。
人の承認、権限、エラー処理、監査ログなどを設計し、業務で安全に使える状態にします。
企業でのAI Agent活用例
社内ナレッジ検索・問い合わせ対応
SharePointや社内文書をKnowledgeとして参照し、質問に対して根拠を探しながら回答するAgentです。単純な全文検索ではなく、質問の意図を踏まえた検索や追加質問を組み合わせます。
問い合わせ分類と後続処理
問い合わせを「質問」「改善要望」「不具合」などへ分類し、それぞれ異なる処理へ接続します。情報が不足している場合は追加で聞き出し、必要な形式に整えてチケットや台帳へ渡します。
申請・文書作成支援
利用者から必要項目を対話で集め、社内ルールやテンプレートに沿って申請文・報告文・エスカレーション文を生成します。
現場判断・エスカレーション支援
現場から得た情報とルールを突き合わせ、どの条件で人へエスカレーションするか、どの情報を追加で確認すべきかを支援します。
AI Agent導入は「業務整理」から始める
AI Agent導入で最初に決めるべきなのはツールではありません。まず、対象業務の入力、判断、例外、利用データ、出力、責任範囲を整理する必要があります。
誰が、何を見て、何を判断し、次に何をするかを可視化します。
AIに任せる処理と、人が承認・判断すべき処理を決めます。
価値が確認しやすいユースケースから実装し、実データで検証します。
回答精度だけでなく、時間削減、完了率、手戻り、利用率などを確認します。
PoCが動いたことと、業務で使えることは同じではありません。Knowledge更新、権限、ログ、失敗時の挙動、Human in the Loopまで含めて運用設計することが重要です。
Copilot Studio・Difyなどの選び方
どのツールが最適かは、既存システム、セキュリティ、利用者、運用者、接続先、PoCの速度などで変わります。
Microsoft Copilot Studio
Microsoft 365、SharePoint、Power Platformとの親和性を活かしたい企業環境で有力な選択肢です。Power Automate等と組み合わせ、会話から業務処理へつなげられます。
Dify
複数モデルやKnowledge、Workflowを組み合わせながら素早く検証したい場合に扱いやすい選択肢です。PoCでは、要件に応じて環境やモデルを柔軟に検討できます。
重要なのは、ツールの機能一覧から選ぶのではなく、対象業務に必要な権限・Knowledge・アクション・運用条件から逆算することです。
AI Agent導入で避けたい3つの失敗
1. ツール導入が目的になる
「Copilot Studioを入れる」「Agentを作る」だけでは業務価値は決まりません。どの作業をどの指標で改善するかを先に置きます。
2. Knowledgeを入れれば精度が出ると思う
文書の構造、検索方法、質問の曖昧さ、更新頻度、回答に必要な粒度によって結果は変わります。RAGは接続して終わりではありません。
3. 人の判断を消しすぎる
例外や高リスク判断まで無理に自動化すると、運用が不安定になります。AIが整理し、人が承認する設計の方が適切な業務も多くあります。
テンキのAI Agent開発・業務AI化支援
テンキでは、AI Agentの業務適用に向けた業務整理、要件定義、Knowledge / RAG設計、PoC、実装、外部連携、効果検証、運用改善まで支援しています。